学術集会会長挨拶
第61回東北臨床細胞学会学術集会を宮城県にて開催させていただくこととなりました。現地とLive配信のハイブリッドで行わせていただきますので、現地に赴けない方々にも多数ご参加頂きたく思っております。細胞診検査は尿や体腔液などの液状検体や擦過細胞診はもとより、組織診が困難な臓器における穿刺吸引細胞診などでは、細胞診断が治療選択に直結し、重要性の高い検査の一つです。しかし、出現している細胞の細胞像から病変を推定するため、高度な診断技術が要求されます。今回は 「細胞診断能力の向上と発展を目指して」を学術集会のテーマとし、教育的な色彩の強い学術集会とし、診断能力の底上げを目指したいと思っています。
特別企画として 「ベテランに聴く細胞診標本の見方、ポイントとコツ〜精度の高い細胞診断を目指して」と表し、5人のベテランの方々にお話いただきます。教科書には載っていないような、診断のポイントやコツを教えていただくとともに、細胞診2次試験の合格突破に向けた試験当日用の試験対策のお話もいただく予定です。
スライドカンファランスにおいては、敢えて日常遭遇する機会の比較的多い疾患を取り上げてもらい、出題者に診断ポイントや鑑別につき詳しくレクチャーしていただきます。今回も投票を予定しておりますので、積極的にご参加いただけると幸いです。
最後の特別講演では、川崎医科大学より森谷卓也先生をお呼びし、「乳腺疾患の病理と細胞診 up to date」をご講演いただきます。森谷卓也先生が長きにわたり培われてきた非常にためになるお話や最新の情報をお聴かせいただけることと思います。
新人や若手の教育とともに、長年細胞診断に携わってきた方達の生涯教育も併せ、参加者に実りある学術集会を目指したいと思います。情報交換会も予定しておりますので、可能な限り現地にきていただき意見交換をして頂けると嬉しく思います。皆様のご参加を心よりお待ちしております。
最後になりましたが、今回の学術集会開催にあたりご尽力をいただいたスタッフの方々、協賛いただきました企業の方々には心より御礼申し上げます。
第61回東北臨床細胞学会学術集会会長
東北公済病院病理診断科部長
渡辺 みか
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